風水と琉球王国

風水は、中国語で「フォンシェイ」、韓国では「プンス」、そして沖縄では「フンシー」と呼ばれ古くから生活の中に定着してきました。

おそよ700年以上前から、家屋の建築、墓作り、または、首里城の造営などに風水術が利用されてきました。
沖縄の各村々は、後ろに山や丘を背負い、前面に海がひらけているつくりかたになっています。
また、村の根屋(ねや、本家のこと)は村落の北もしくは、中心に位置しているのが普通です。
沖縄の村のつくりが、京都と同じように碁盤の目の作りをしているのも風水の影響を大きくうけているためと言われています。

風水とは、一言で言えば地相学です。
例えば家屋の向きを年間を通じた太陽の運行にあわせれば、より多くの陽光を取り入れることができ、高熱による室内の殺菌効果が可能です。
風の通りをよくすれば、室内の湿気がとりのぞけ、細菌やバイ菌などの繁殖もおさえられ安心した食生活が営めます。
よどんだ空気、じめついた湿気などのマイナス要素を除き、自然のエネルギーを生活のリズムの中にとり入れて健康を維持する術が風水学といえます。

現代と違ってクーラーや薬品の少ない時代、人々は自然の力、自然の勢いなどを読んで、そのエネルギーをとりこみ生きる術を工夫したのです。

劇作家 亀島靖