竹富町立竹富小学校(平成25年度)

「みつめよう僕らの島 伝えよう竹富島のいいところ」

学習のねらい
  • わたしたちの住んでいる竹富島について関心を持ち、島を大切にする心を養う
  • 普段見慣れている風景、建物、道等、再確認しながら、竹富島の良さを認識する。
学習活動
  • 普段見慣れているまちなみに興味を持ち、建物の特徴や色彩など身近なところから風景を学ぶ。
  • 地域の写真を用いてまちなみの特徴をみんなで話し合う。
  • 風景学習新聞やカレンダーを作成する。
準備品
  • ワークシート
  • 救急箱
  • デジタルカメラ(5台)
実施体制
  • 授業実施/竹富小学校
  • 事業主体/沖縄県土木建築部都市計画・モノレール課
  • 協力/竹富町役場建設課
  • 企画・進行/石垣設計事務所
  • 講師/上勢頭芳徳(NPOたきどぅん理事・喜宝院館長)

学習の流れ

H26,2/5 導入授業 (1時間)

概要
  • 写真を用いてオリエンテーションを行う。
    ・まちなみの特徴
    ・まちなみの見方
    ・まちなみの美化
  • グループ編成
    ・2人ずつの5グループをつくる
    ・活動、テーマの設定などの確認をする

H26,2/6 オリエンテーション (30分)

概要
  • はじめの言葉(担任)
  • 児童代表のあいさつ
  • 関係者のあいさつ (事業内容の説明:県・都市計画)
  • 校長先生のはなし

まち歩き学習へ出発

学校の校舎 (45分)
身近な学校の校舎・運動場について、講師から昔の学校の歴史やその様子、風景等の話に耳を傾ける。

移動中にも講師から建造物や石積等の様式を学ぶ

学ぶ|糸満市米須小学校_03

旧与那国家(45分)

重要文化財に指定されている、建物の特徴や昔の生活の様子等の話を聞く
主屋と台所が別棟となっているのが大きな特徴で家の後ろには今は使われない家畜小屋が残る。

なごみの塔(45分)

赤山公園内にある展望台、ここから眺める赤瓦の集落は絶景。塔は昔、集落内に大きな声で呼びかけ連絡に利用したとか。

グスク坂道(45分)

琉球石灰石で敷き詰めた石畳みは雨水排水溝の必要もない、地面に自然と浸透します。右写真の一部、コンクリート部分との違いについて学ぶ。

学習のまとめ

終わりの式
  • 関係者あいさつ
  • 児童代表挨拶
  • 学校長あいさつ
    (45分)

発表会 H26,2/14(1時間45分)

父兄参観日に合わせての発表会、大型モニターとiPadを使いモニターに映し出された風景写真とプレゼン資料を前に少し緊張気味でしたが思い通りの発表ができました。

講師からのコメント

上勢頭芳徳
竹富小学校は重要伝統的建造物群保存地区の中にあります。景観保存意識の高い島ではありますが持続していかなければなりません。10年ほど前に伝統技術を継承しようと、中学校で茅葺きの小屋を建てたことはありますがそれ以来の風景学習で良い試みでした。美しい島と評価をいただいていますが、その中に漬かっていると何が美しいのかが分からなくなります。今回は伝統家屋と集落の佇まいを「よく見れば 薺花咲く 垣根かな」という芭蕉の句を念頭に、虫の目になって、高い所から鳥の目になってデジカメとiPadで撮影しました。
 発表会では、大人が伝えたいことはちゃんと受け取っていました。60歳くらいになったら、子どもに島のことを教えていきたいという感想もありました。
沖縄の原風景とも言われる赤瓦の家並み、サンゴ石灰岩の石垣、白いサンゴ砂の道など、伝統文化として残してくれるでしょう。楽しみです。

児童の作品 (一部掲載)

カレンダー作り

カレンダー作り

新聞作り

新聞作り

先生の声

実施にあたり工夫した点・苦労した点

  • 複式学級で異年齢での取り組みのため、グループは同学年でのペアの5組にわけ、地域の探検場所も5ヵ所にした。
  • 探検の時は、講師の話を聞き、ワークシートにメモをとったり、ipadやデジカメを使って写真におさめたりすることができた。
  • ipadを活用し、プレゼンテーションで写真を提示しながら、感じたこと、気になったことなどを、ベアごとに発表することができた。
  • 島の風景のお気に入りの写真を各自1枚選ぴ、みんなで1年間のカレンダーを作成し、世界に1つだけの竹富島お気に入りの風景カレンダーをつくることができた。

児童の反応

  • 日頃、見慣れている島の風景だけど「よく見れぱ」の講師の声かけで、改めて、島のいいところを発見することができた。また、発表会を通して、竹富島の良さをいろいろな人にもっと伝えたいという思いが高まった。

教師として得られた点

  • この学習を通して、竹富島の歴史や文化、自然や建築物について多くのことを学ぶことができた。

今後に向けて

  • 3・4年生の社会料の学習と合科させて取り組むとより深められると思った。
  • 複式学級を活かして、新4年生は2年連続学習ができるので、今年度の学習を土台として、さらに地  域について学習が深められると思う。

風景学習担当者の感想

  • 竹富小学校   石垣雅春
  • 竹富島といえば白い砂の道、赤瓦の屋根、石積みの塀、等が浮かびます、集落内は伝統的建造物群保存地区に指定されており将来への景観保存や景観作りは重要です、竹富島を最も愛する上勢頭氏を講師に招き、まちなみを歩きながら島の伝統文化や歴史、昔の竹富島の風景の様子等いろいろ教わりました、子どもたちも積極的に質問をし、理解しようとの姿が感じられました、デジカメで写真を撮りその場でiPadにデータを移しプレゼンをする姿をみて、子供たちは楽しく風景学習に対して取り組んでいる様子が伺えました、地域性からか子どもたちは仲良く家族的な雰囲気のなかで学習を進める事が出来ました、竹富島は歴史が古く、多くの拝所や史跡、民族芸能等、将来、子供たちを景観リーダーに育てるために先生を始め地域の人たちや父母も参加して進めていけたら効果的だと思いました。