学ぶ/沖縄の風景づくりの取り組み

糸満市立糸満小学校(平成26年度)

見つけよう!糸満のいいところ ハーレー・大綱引き・旗頭探検隊


学習のねらい
  • きづく・かんじる
    子どもたち自ら地域の良さに気付き「風景」に対する意識の芽生えを促す。
    風景学習は、子供たちの「風景」に対する意識の芽生えを目的とする。
  • まもる・もどす・つくる・なおす
    糸満の伝統行事 [ ハーレー・綱引き ] のよさや携わる人たちの工夫と努力に気づくことで、糸満のよさを知り、風景を守る工夫と努力につなげることができる。
  • そだてる
    風景の学びを通し地域への誇りと愛着を深める。
学習活動

総合学習の時間を活用し、地域の伝統行事に関わる風景、地域の人たちとの交流、地元講師、ガイドを招いた体験と講話を通して学んだ。


 ①H26.4.16 校区まちあるき探検(地元ガイド及び NPO による学習支援)
 ②H26.5.7 糸満ハーレーの講話と体験学習
 ③H26.5.8 白銀堂の由来等講話
 ④H26.5.28 ハーレーの調べ学習 (NPO 講師等のサポートによる学習)
 ⑤H26.6.1 ハーレー観覧
 ⑥H26.6 ~ 壁新聞作り(学校主体)
 ⑦H26.9.3 大綱引きの由来等講話
 ⑧H26.9.8 大綱引き観覧
 ⑨H26.10.8 旗頭の由来等講話
 ⑩H26.10 ~ 旗頭制作(学校主体)
 ⑪H26.11.30 学習発表会において発表
 ⑫H27.3.11 糸満市のまちづくりについて講話

準備品
  • ハーレーで使うウェークや鉦(ハマスーキにて準備)
  • 調べ学習に使う資料(地図・表・写真・文献等)
  • パソコン(インターネット)
  • 旗頭をつくる色紙など(学校にて準備)
実施体制
  • 授 業 実 施/糸満小学校
  • 事 業 主 体/沖縄県土木建築部都市計画・モノレール課
  • 協   力/糸満市建設部都市計画課
  • 企画・進行/景観整備機構(NPO 沖縄の風景を愛さする会)
  • 講 師 協 力/ NPO ハマスーキ 上原謙

        報徳川と美海の会 松本好郎 
        陶信窯 金城信、 糸満市職員
        糸満市観光協会 西川寛幸


学習の流れ

つかむ(5h)

【体験】校区まちあるき探検 H26/4/16
場所
  • 糸満ロータリー
  • 糸満漁港
  • アンマー市場
  • 白銀堂
  • 山巓毛
  • 門(ジョー)
概要
  • 学校周辺にある、日頃通学路等として歩いたり見たりしている漁港や白銀堂、山巓毛を地元ガイドや NPO と巡ってどんな場所なのか伝統行事との関係など、気づきを得る。地域の生活の様子・風景を感じる。
児童の
反応
  • 新学期が始まったばかりで最初は緊張の面持ちであったがクラスの仲間や先生、地元ガイド、NPO と一緒に地域をめぐることで日頃目にしている風景にも新鮮さを感じている様子だった。地域の人たちに質問をするなどコミュニケーションできた。


ひろげる (30h)

【講話・体験】糸満ハーレーの由来 5/7
場所
  • 糸満小学校 体育館
概要
  • ハーレーの由来・行事の流れ等についてNPO法人ハマスーキの上原謙氏よりお話を聞く。同会松本氏らの指導のもと実際に使うウェークや鉦を用いて模擬体験する。
児童の
反応
  • 「ウェークの使い方やハーレーのことなど初めて知ったこともあってよかった」「弟たちにも教えてあげたい」「ハーレーが楽しみ」など、ハーレー本番を前に気持ちが高まった様子だった。
【講話】白銀堂の由来について 5/8
場所
  • 3年教室 オープンスペース
概要
  •  陶信窯の金城信氏に白銀堂の名前の由来、場所の由来、白銀岩について紙芝居と絵本等でお話を聞く。
児童の
反応
  • 本年度は児童が理解できるよう事前に講師との打合せでわかりやすい説明と単語説明書きが用意された。絵本・紙芝居を活用することで児童の関心を高めた。
【調べ学習】NPO 講師らとハーレーに関する事について調べる 5/28
場所
  • 3年教室

 

概要
  • 本年度はハーレー船の作り方、なぜ西村・中村・新島3チームにわけるのか、昔の漁港等、児童が疑問に感じたことを8グループに分かれ NPO 講師等と一緒に考え、調べる。門(ジョー)の形成について学びながら地域の成り立ちと風景の繋がりをとらえる。「上之平の勢理」(知念教諭制作)紙芝居活用。
児童の
反応
  • 「はじめて中村、西村の区域や由来がわかりました」「門の存在はわかっていたけどどのようにしてできたのかわかってすっきりしました」など、講師と少人数で各議題について調べ学習をすることで、ハーレーについて理解を深めることができた様子であった。
【体験】ハーレー観覧 6/1
場所
  • 糸満漁港
概要
  • 糸満ハーレーを観覧し学習とのつながりを体感する。伝統行事に関わる地域の人々の様子を肌で感じる。
児童の
反応
  • 時折激しく降る雨の中も、多くの観覧者・子どもたちが本場ハーレーを楽しんだ。


ひろげる (続き・30h)

【講話】 糸満大綱引きについて 9/3
場所
  • 3年教室 オープンスペース
概要
  • 糸満大綱引きの歴史、方法、他の大綱引きとの違いなどについて、糸満観光協会西川寛幸氏にお話を伺う。
児童の
反応
  • 「かぬち棒の木の種類はなんですか?」「沈
    める川は決まっているんですか?」「旗頭の使用している木はなんですか?」など質問があった。
【体験】 大綱引き体験 9/8
場所
  • 糸満ロータリー
  • 白銀堂
概要
  • 糸満大綱引きを体験、白銀堂との関係(神事)を身近に感じる。
児童の
反応
  • 子どもたちも大勢参加、綱引きを体験し、場の高揚感を共有した。
【調べ学習】 パソコンを使って大綱引きについて調べる 9/10
場所
  • パソコン教室
概要
  • パソコンを使用して糸満市ホームページから大綱引きの情報を探し出し、調べる。
児童の
反応
  • NPO 等がサポートしインターネットで調べ学習を行う。サポートがつくことで不慣れな電子機器にも対応できていた。
【講話・ 体験】 旗頭について 10/8
場所
  • 糸満小学校 体育館
概要
  • 旗頭の意味と役割について、糸満市職員の上原司氏から学び、大綱引きへの理解を深める。
児童の
反応
  • 旗頭体験の後、旗頭の魅力にひかれ、没頭する男児がうまれるなど、心を動かされる体験となった。
【体験】 旗頭制作 10月~
場所
  • 3年教室
概要
  • 大綱引きに欠くことのできない「旗頭 」を子どもたち自身でつくり、特徴をつかむ。
児童の
反応
  • 自分たちでつくった旗頭を持って発表会に参加、旗頭への尊敬と、畏敬の気持ちを学んだ。


まとめる (20h)

【体験】 壁新聞づくり 6月~
場所
  • 3年教室
概要
  • ハーレーの調べ学習をグループで壁新聞にま
    とめる。
児童の
反応
  • 知りたかったことを調べ学習で学び、新聞として表現することで学びが深まった。
【体験】 糸満小学校学習発表会での発表 11/30
場所
  • 糸満小学校 体育館
概要
  • 地域のたくさんの人たちの前でハーレー、旗頭や大綱引きについて勉強したことを発表する。
児童の
反応
  • 「糸満のすきな魔法使いたち」という題名の合奏・合唱を披露。4月からはじまった伝統行事と風景の繋がりについて、学びの集大成として見事に演じ切った。
【講話】 糸満市まちづくりについて H27/3/11
場所
  • 3年教室
概要
  • 糸満のこれからのまちづくりについて都市計画課職員より学び、子どもたち自身で未来像を描く。
児童の
反応
  • 糸満市の風景づくりについて字糸満の門(ジ ョ ー)、国道331号沿いを赤瓦屋根に修景したり緑を増やす計画などを学び、子どもたちは想像を膨らませた。


生徒の作品


学習の様子


先生の声

実施にあたり工夫した点・苦労した点

<工夫した点>

  • 中学年という特色を生かし、五感を使っての学習活動を展開したこと。
  • 新聞や旗頭づくりといった制作活動を取り入れたこと。
  • 行事を取り組み、体験活動を重視した単元を設定したこと。

<苦労した点>

  • 教材研究の時間を確保すること。


児童の反応

  • 風景学習を通して児童は伝統行事(ハーレー、大綱引き旗頭)にさらに関心を高めることができた様子であった。
  • 伝統行事に対する視点も広がり、思いも深まり、地域に対する愛着と誇りも高まった。


教師として得られた点

  • 風景学習に取り組むことにより、地域の素材を教材化するおもしろさをつかむことができた。
  • 地域人材を活用することでその輪が学校をこえて大きく広がっている。
  • 風景学習は地域力を高める人材育成の基となる。

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