学ぶ/沖縄の風景づくりの取り組み

糸満市立米須小学校(平成26年度)

地域の風景ってどんなもの?自分たちの風景再発見マップをつくって語ろう!


学習のねらい
  • 地域の歴史や暮らしを感じる風景を歩いて見つけ写真にとる(ふれる・つかむ)
    ◎慰霊の塔はいつなぜできたのか?
    ◎古い建物や道、昔を感じる場所はどこ?
    ◎畑にどんな作物があるの? 
  • 歩いたルートと発見した風景、気づいたことを地図に描く。(まとめる)
  • 地域の風景について自分の意見を発信する。(伝える・つなげる)
学習活動

社会科学習”地域を調べよう”の一環で、夏休みの1日(8/25)を使い、地域にはどんな風景資源があるかを絵地図にして発信した。昨年度より一歩踏み込み、校区全体の風景の特色を把握するため、4地区(集落域)での全方位的な探検を実施した。

①H26.8.25午前 担任によるオリエンテーション後、グループに分かれて集落
        (米須・伊原・大度・摩文仁)に移動し探検

②H26.8.25午後 米須公民館に戻り昼食後、グループごとに見つけた風景を絵
            地図にとりまとめ、発表

③H26.9.9     授業参観日を活用して保護者に向けて発表

準備品
  • 4集落地図、地区資源資料、航空写真
  • カメラ(グループごと1台)
  • 色紙とマーカー、はさみ、のり一式
  • 麦茶(※各自お弁当を持参)
  • 探索バッグ、筆記用具
  • マイクロバス・車
実施体制
  • 授 業 実 施/米須小学校
  • 事 業 主 体/沖縄県土木建築部都市計画・モノレール課
  • 協   力/ 糸満市建設部都市計画課
  • 企画・進行/景観整備機構(NPO 沖縄の風景を愛さする会)
  • 講 師 協 力/米須農村再生発見事業世話役会会長 比嘉隆司
          米須区長 山城茂  糸満市観光協会 西川寛幸
          伊原自治会、大度自治会、摩文仁自治会


学習の流れ(8月25日午前3h)~ふれる・つかむ~

開始・オリエンテーション(25分)

場所
  • 米須公民館
概要
  • 島元先生の進行で風景学習授業をスタート。社会科授業との関連でまち歩きの学習のねらいや進め方、注意事項を指導する。
児童の
反応
  • 事前学習もあり、先生(担任)の話はわかりやすいので集中して聞いていた。


出発準備・まち歩きルートの確認(15分)

場所
  • 米須公民館
概要
  • グループごとにガイドやスタッフの指導で、
    ①地図で行く先とまち歩きルート
    ②カメラ使用、地図記入の仕方
    ③文具・マップ等探検バッグ・水筒・帽子の所持等を確認する。
児童の
反応
  • どのグループも自分達が歩く地区のルートを白地図で確認できていた。やる気まんまんの様子が伺えた。


各地区へ移動(10分)

場所
  • 車で移動
概要
  • 米須地区以外は各地区公民館(摩文仁・大度・伊原)へ車で移動
児童の
反応
  • 米須探検グループは、早速まち歩きをスタートした。


各地区のまち歩き(130分)

場所
  • 米須・伊原・大度・ 摩文仁集落
概要
  • 各地区の歴史と暮らしの風景をテーマに公民館から歩きをスタート。眺望、昔につながるもの、畑、慰霊の塔など、ガイドの話を聞いて、感動したこと、気づいたことなどを写真や記録にする。
児童の
反応
  • ガイドの話や見つけた風景資源を記録にとるのはなかなか大変そうだったが、「いろいろ知れて楽しい」と根気よくフィールド学習に取り組んでいた。


伊原グループのまち歩き

 伊原公民館から歩きをスタートして集落内部や畑・貯水池、琉風の碑やひめゆりの塔など多くの慰霊碑を巡り、「戦争はしちゃいけないと心から思った」「伊原のまちがわかっておもしろい」「いろんな人に感謝したい」「ドラゴンフルーツ畑を見て感動」と、感じたコトを語った。


米須グループのまち歩き

 米須公民館前の馬場から集落探検をスタート。戦争の銃跡を残すヒンプンや木造民家にふれて「戦争は怖い」と感じた。米須は龍神マブヤーの撮影場所、昔ながらの葉たばこ乾燥小屋があり、面白いカタチをしたガジュマルの生垣があることを発見、グスクから見た景色はとても素晴らしく、心に残る風景となった。


大度グループのまち歩き

 大度公民館から歩きをスタート。清明病院の上から海と緑に囲まれた大度集落を見て「わーきれい!」昔はため池があったこと、米よりも芋を食べていたこと、戦争時はガマに隠れたこと、多くの人が亡くなったこと、また大度海岸は昔から今に続く歴史の風景であることなどを学んだ。


摩文仁グループのまち歩き

 旧公民館から集落内の歩きをスタート。古い石垣や赤瓦の建物が割りと残っていた。摩文仁の丘を登り、初めてみる大きな岩や井戸の水にふれてビックリ。300段の急な階段は大変だったけれど、すごい海の景色に感動した。一方で慰霊の塔が多くあることを知り「戦争ってつらい」との声が上がった。


学習の流れ(8月25日午後4h)~まとめる・伝える~

昼食(60分)

場所
  • 米須公民館

概要
  • 楽しいお弁当の時間。(スタッフはこの間に写真現像を済ます)
児童の
反応
  • たくさん歩いたので食用区旺盛だった


マップづくり(120分)

場所
  • 米須公民館

概要
  • 昼食後先生の指導で、絵地図作業に入る。見つけた風景をワークシートにまとめ、それを基にグループで凡例を作成し、歩いたルートを地図になぞり写真を貼り付け、気づいたことを地図に描く。
児童の
反応
  • 凡例に照らして写真をハサミで切って色紙に貼り付け、白地図に載せた。最初は作業に戸惑ったが伝えたい風景が一つ一つ、見えてくると笑顔がこぼれた。


グループ発表(45分)

場所
  • 米須公民館
概要
  • グループで話あって発表シナリオをつくり、歩いたルートを示しながら発見した地区の風景の魅力を伝える。
児童の
反応
  • 緊張しつつも、まとめたことを懸命に発表していた。聞く方も真剣に聞いていた。


ふりかえり・閉会(15分)(※後日発表)

場所
  • 米須公民館
    ※3年1組教室

【風景再発見の凡例表現】
〇昔からある風景:赤瓦・拝所・カー等
〇悲しい出来事の風景:慰霊の塔・ガマ等
〇緑の風景:畑の広がりと防風林等
〇その他:新しい建物・グスク
からみた眺めがきれい・地球が丸いことの発見等。

概要
  • 今日を振り返り心に残った風景をシートに記入する。
    ※9/9授業参観日を使い保護者へ向けて成果を発表。
児童の
反応
  • 長時間ではあったが最後まで忍耐強く、感想もスムーズに記述していた。


児童の作品

 小学校区(4地区)の風景ってどんなもの?各集落を探検し、眺望ポイントや昔から残る風景(古民家や古木等)、畑の作物、悲しい歴史の風景(慰霊の塔やガマ)を色分けして凡例をつくり絵地図にした。各地区公民館を起点にして地区の風景の魅力や歴史的背景を紹介する、3年児童手づくりによる散策マップが出来た。


先生の声

実施にあたり工夫した点・苦労した点

  • (昨年度よりも探検範囲を広げ)、米須小学校区(4地区)全てをグループに分かれて探検学習をさせることで、校区ならではの特徴や良さを発見することができた。
  • 休日に地域探検を実施したため、時間の調整や保護者への連絡に苦労を感じた。


児童の反応

  • 自分たちが住んでいる地域を調べるということで、関心を強く抱き、意欲的に活動することができた。


教師として得られた点

  • 校区の風景や歴史的背景について理解が深まり、地域の良さを知ることができた。

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