糸満市立米須小学校(平成27年度)

地域のじまん風景を見つけよう ! 伝えよう!~風景マップづくり~

学習のねらい
  • 自分たちの住んでいる地域の風景の良さや特色を感じとる。
  • 地域で活動する大人との交流を通じ、地域への愛着や知恵、かかわる態度を学ぶ。
  • 学習カリキュラムを生かす。(地図を読む、作物について知る、地図や文章にまとめる、発表する)
学習活動
  • 社会科の「地域を調べる」学習を風景学習に関連付け、実地観察のテーマや風景を見る視点を事前に子供たちと定めた。
    [ (1)地域の名所 (2)畑の作物 (3)古い建物や道など (4)地域の言い伝え ]
    風景学習本番では、グループでまち歩きし、発見したことをマップにまとめて発表した。

    ① H27.6.24 5つのグループで各集落を探検。
    ② H27.6.25 まち歩きでの発見の成果をマップにまとめ、発表。

準備品
  • ワークシート・ふりかえりシート
  • 白図、ふせん、のり・はさみ、マーカー
  • デジタルカメラ(グループに1台)
  • 移動用車両・救急用品
  • ガイド・スタッフ用資料等(ルートマップ、名札等)
実施体制
  • 授 業 実 施/糸満市立米須小学校
  • 事 業 主 体/沖縄県土木建築部都市計画・モノレール課
  • 協   力/糸満市建設部都市計画課
  • 企画・進行/景観整備機構(NPO 沖縄の風景を愛さする会)
  • 講 師 協 力/米須自治会・米須農村再生発見事業世話役会・
    糸満市観光市民ガイド友の会・大度区長・伊原区長

学習の流れ

つかむ(3h40min) H27/6/24

校区たんけん(開始・オリエンテーション)

場所
  • 教室(家庭科室)
概要
  • 島元先生によるオリエンテーションで風景学習をスタート。まち歩きのねらいや目標、注意事項を確認。
  • 5つのグループに分かれ持ち物を確認して出発準備。
児童の反応
  • 事前に話し合ったテーマやグループでの役割をしっかり理解していた。

校区たんけん(移動)

概要
  • 米須地区は歩いて、距離がある摩文仁・大度・伊原地区へはスタッフ車両にて移動。
児童の反応
  • なじみの公民館からまちあるきスタート。

校区たんけん(まちあるき)

場所
  • 字大度、字米須(東)、字米須(西)、字伊原、字摩文仁
概要
  • 地域の特徴ある場所やまちなみ、農地などを巡り、各自発見をワークシートに記録する。講師からさまざまなものの由来や言い伝えなどを聞く。
児童の反応
  • 身近なのに気づかなかったことに新鮮な驚きをもって講師の話を聞いていた。

校区たんけん(振り返り)

場所
  • 教室(家庭科室)
概要
  • 終了したグループから教室に戻り、各自ワークシートを整理する。
児童の反応
  • 暑さのため疲れもあったが、水分補給し元気をとりもどしていた。

伊原グループのまち歩き

第一外科壕からはじまり、集落めぐり、背後の畑をぬけグスクに上り、新公民館に至る長いコース。のどかな風景の中に点在する戦争の傷跡を目の当たりにし、今の平和を実感したようだ。

大度グループのまち歩き

集落の路地ではたくさんの古いものを見つけ、畑では作物あてっこを楽しんだ。貝塚で古代の暮らしを想像し、海では壕の前で錆びた弾のかけらを拾い、新しい住宅団地を通り・・。風景にいろんな時代を感じとっていた。

摩文仁グループのまち歩き

集落から摩文仁グスクに上り、元ムラを通って下るコース。かなり高低差があり体力を使うが、元気にこなした。集落の中にある拝所やカーは新たな気づきだったし、グスクから見る海の景色、村の景色はとてもきれいだった。

まとめる(2h50min)

マップ作り H27/6/25

場所
  • 教室(理科室)
概要
  • 先生から、今日の作業のめあて、注意事項を聞く。
  • グループごと、地図に「地域のじまん風景」を整理する。
  • 歩いた道筋を書き込み、目印などを確認する。
  • みつけた資源をテーマ別に分けて整理し、小さく切った色画用紙に写真とともに記録する。
  • 地図に写真と説明を貼り、学習の成果をまとめる。
児童の反応
  • 多数の写真やカードに戸惑いもあったが、先生やスタッフの助言でまとめ方が見えてくると一転して作業に熱心に取り組む姿が見られた。
  • 大きな地図がカードで埋まり、改めていろんな発見があったと実感した様子。

伝える(50min)

発表準備

場所
  • 教室(理科室)
概要
  • どのように発表するか話し合い、伝え方に工夫をこらす。
  • 発表の練習をする。
児童の反応
  • 練習をしてみるとたくさんありすぎて話しきれない。どうしよう・・?

グループ発表

場所
  • 教室(理科室)
概要
  • 風景学習で発見したもの、わかったことなどをグループごと7分程度で発表する。
児童の反応
  • 他のグループはどんなだったのかな?まじめな顔で発表に聞き入っていた。

児童の作品 (一部掲載)

学区内の 4 つの地区の風景の特色をそれぞれまとめ、目印になるものや古いもの、畑の作物、言い伝えなどを絵地図にした。
地区ごとの特色がうまくまとめられたほか、テーマごとに色分けする工夫で、発表もスムースにできた。

先生の声

実施にあたり工夫した点・苦労した点

  • 2日間(1日目 探検学習、2日目 散策マップ作り)に分けて風景学習を行うことができ、子ども達の集中力ややる気が途切れることなく、有意義に活動させることができた。
  • 5地区に分かれて探検学習することで、校区ならではの特徴や良さを多く発見させることができた。

児童の反応

  • 自分達が住んでいる地域を探検することで、新たな発見に気づき、興味関心をもって意欲的に活動することが出来た。

教師として得られた点

  • 校区の風景や歴史的背景について理解が深まり、地域の良さをくわしく知ることができた。