竹富町立竹富小学校(平成27年度)

「竹富島の祭事にくわしくなろう 」 ~シマの風景ガイドジュニアになろう!~

学習のねらい
  • 竹富島をイメージする風景になかに、様々な祭事があることに気づく。
  • 身近にある祭事の特色(成り立ちや意義、場所など)について、地域との関わりから主体的に学ぶ態度を養う。
  • 各自が調べて見つけたシマの良さをわかりやすく伝える努力をすることで、地域に対する誇りと愛着を深める。
学習活動
  • これまでの学習を生かし3~6年生で縦割りグループを編成して4年サイクルの学習テーマを設定し、“シマの風景ガイドジュニア”を育成する学習計画とした。今年度は「祭事」をテーマに児童らが自主的に学習計画をたて地域へ聞き取りを行い、伝えたいことをとりまとめ発信した。(※講師派遣、NPO 支援)
    ①H27.9.8 昨年度の振返り(レビューツアー)(※)
    ②H27.9.10 学習計画を立てよう。
    ③H27.10.1 各祭事の話を聞こう(※)
    ④H27.10~11 グループに分かれて調べ学習
    ⑤H27.11~ とりまとめ・プレゼンテーションの準備(※)
    ⑥H27.12.12 学習発表会で成果を発表
    ⑦H28.1.15 今年度学習を振り返る
準備品
  • ワークシート(学校にて準備)
  • カメラ(学校、各児童で準備)
  • パワーポイント(学校のパソコン教室を活用)
  • 探検バック、筆記用具
実施体制
  • 授 業 実 施/竹富小学校
  • 事 業 主 体/沖縄県土木建築部都市計画・モノレール課
  • 協   力/竹富町建設課
  • 企画・進行/景観整備機構(NPO 沖縄の風景を愛さする会)
    石垣設計事務所
  • 講 師 協 力/ 上勢頭同子・芳徳(喜宝院蒐集館)、地域住民

学習の流れ

ふれる(2h)

【探検】レビューツアーをしよう H27/9/8(2h)

場所
  • 島内
概要
  • 昨年行った「竹富島のおすすめスポットをガイドしよう」の学習を振り返る。
  • 新たに風景学習を学ぶ3年生に活動の楽しさや意義を理解してもらうために、4~6年生が島内の主な史跡・名所をガイドする。
  • ガイドポイント:ナージカー・安里屋クヤマの家・なごみの塔・世持御嶽・西桟橋。ツアー途中で竹富島ならではの風景である白い砂の道や赤瓦屋根の説明も行う。
児童の反応
  • 昨年自分たちが行ったツアーについて振り返るとともに、島のいろいろな史跡・名所の良さに気づくことができた。

つかむ(1h)

学習計画をたてよう 9/10(1h)

場所
  • 教室
概要
  • 竹富島からイメージされる多くのことから、特に祭事(※)を取り上げ、ウェビングを行う。
    ※種子取祭・結願祭・豊年祭・節祭・十五夜祭・お盆・十六日祭
児童の反応
  • 島には多くの祭事があることを確認することができた。

調べる(2h)

【祭見学】 9/14

場所
  • 島内
概要
  • 竹富島の主な祭事の一つである「結願祭」を見学する。

【講話】各祭事について話を聞こう 10/1(2h)

場所
  • 教室
概要
  • ゲスト講師に上勢頭同子氏を迎え、児童のウェビングから出された祭事について、その意義や目的、歴史、場所、内容などについて話を聞く。
  • なぜ行うのか(目的)
  • いつから(歴史)
  • どこで(場所)
  • 誰が(人)、 いつ(時)
  • どんなことをするのか (奉納、お供えするもの)
児童の反応
  • 講話を聞く中で公民館執行部など様々な人がかかわって祭事が成り立つことを理解した。
  • 普段聞くことができない講師の説明に、積極的に多くの質問をし詳しく知ろうと意欲的だった。

【調べ学習】グループに分かれて祭事を調べよう (11月)

場所
  • 島内
概要
  • 地域や親戚の方にインタビューを行い、祭事の内容を詳しく調べる。
児童の反応
  • 放課後や休日を利用して児童が自主的に取材先を決めて自らの学習を深めていた。

【祭体験】 11/10・11

場所
  • 島内
概要
  • 島の最大行事である「種子取祭」を見学する。太鼓・弥勒への供物など一部行事に参加する。

まとめる・伝える(10h)

調べた事をまとめよう 11/13

場所
  • 教室
概要
  • 学習発表会で伝えたいことをグループで話し合い決定する。
児童の反応
  • 発表資料の作り方を楽しく学ぶことができた。

プレゼンテーションの準備をしよう 11/20・24・27

場所
  • パソコン室
概要
  • パソコン(パワーポイント)を使った簡単な発表資料の作り方を学ぶ。
  • グループで発表資料の作成に取り組む。
児童の反応
  • NPOがサポートすることで不慣れなPC操作にも対応できた。

【発表準備】 12/1・3・7

場所
  • パソコン室
概要
  • グループでシナリオを考え、各自、役割を分担し発表練習をする。
児童の反応
  • 発表原稿はできるだけ暗記し、発表後は互いに改善点を出し合って内容の修正を行った。
  • 互いにアドバイスを出し合い分かりやすい原稿づくりに励んでいた。

【発表会】地域の人に伝えよう 12/12

場所
  • 体育館
概要
  • 「テードゥンのハレの日」と題し、学習発表会で地域の人に向け、祭事について自分たちが調べてわかったことを伝える。
  • 発表を通して、竹富島の伝統(祭事)の魅力と人の関わり、自分たちが引き継ぐシマの心を再確認する。
児童の反応
  • 地域や保護者に向けて堂々と発表することができた。
  • シマを大切に思う児童自らの願いを重ねて地域へ発信していた。

振り返る(1h) H28/1/15

場所
  • 教室
概要
  • 今年度の風景学習を振り返り、来年度の取組みについて考える。
児童の反応
  • 様々な祭事についての特徴を振り返ることができた。

児童の作品

先生の声

実施にあたり工夫した点・苦労した点

  • 「つかむ」活動では、島の祭事について知っていることや思っていることをウェビングして出し合った。その中から「いつから始まったのか」「なぜ、この場所で行われるようになったのか」などの疑問が生まれてきた。ウェビングを行うことで、児童自身から祭事に対する様々な疑問を引き出し、詳しく調べようとする意欲につなげることができた。
  • 発表資料作りでは作業自体を楽しむ児童の姿が多く見られたが、「誰に向かってどのように伝えるのか」という相手意識・目的意識を考えさせることで、より分かりやすく伝えるようになった。
  • 児童は普段から祭事に参加、見学はしていたが、その意義や歴史まで捉えてはいなかった。地域の方の講話やインタビューを通して、祭事の目的・意義・歴史などについて整理していくことができた。

児童の反応

  • 児童が自主的に地域の方へインタビューすることで、あらためて祭事の意義等を納得していた。今まで以上に祭事を楽しみながら関わることができそうだという気持ちになり、シマの伝統に対する誇りがより高まった。
  • 「みんなに分かりやすく伝えるために作る」ことを思い出し、友達と互いに協力して写真や文字の見せ方を工夫する等楽しく活動していた。

教師として得られた点

  • 「島の行事について自分自身が整理し理解するよい経験になった」とゲスト講師の言葉をいただき、有意義かつ貴重な授業を展開できた。
  • 「児童に教えるからにはちゃんと教えないといけない」と地域の方の丁寧な対応に、地域連携の重要性、メリットを再確認できた。