平成25年度の取り組み

目的

まちなみミュージアム実施予定地区における景観行政担当者を対象に、今後、沖縄らしい風景づ くりの課題となる地域住民との合意形成について、様々な事例紹介とその解説を行い、また参加者 らよるワークショップ等を実施し、景観行政の担当者として、将来、地域や庁内のコーディネートな どができる人材として育ってもらうことを目的に実施しました。

第一回研修会

実施日 平成26年2月13日(木)13:30~17:00
場所 浦添市てだこホール

構成と実施方法

●Kel_まちづくりネットワーク代表 塩見寛氏による講演
テーマ「景観行政と住民合意形式について、その具体的な方法」

●地域合意形成をテーマとしたワークショップ
テーマ「住民の関心を高め多くの参加を得るための方法について」「景観計画の各段階における周知方法について」「行政内の合意形成と連携体制について」(3つのテーマごとにファシリテーターやグループ構成を変えて議論する。)

時刻・所要時間 内容 スタッフ及び備品
1.ワークショップの目的、方法の説明
14:40~14:50
(10分間)
①目的の説明

 

②方法の説明

③質問

①リーダー

 

②ファシリテーター

③記録者

④ホワイトボード

⑤手元資料

2. テーマ1

 

A→参加

B→周知

C→庁内連携

14:50~15:20
(30分)

①各グループのファシリテーター自己紹介。

 

②各参加者の所属市町村名程度の自己紹介とそれぞれのテーマに沿って課題となっている事例についての説明。

A:「地域の合意形成で住民の参加という点で課題となっている事例について」

B:「地域の合意形成で住民や関連事業者への周知という点で課題となっている事例について」

C:「各参加者の所属市町村名程度の自己紹介と各自治体での庁内の連携についての現状について」

③1つの具体的な課題について、順番にアイデアを出し合う。

④ファシリテーターが提案されたアイデアを確認する。

①記録書

 

②ICレコーダー

③メモ(A5サイズ)

※塩見さんと池田理事長は適宜各グループに参加

3.席移動

 

15:20~15:25
(5分間)

参加が席を移動する。

 

A→周知

B→庁内連携

C→参加

(ファシリテーターと記録者は同じテーブル)

 
4.テーマ2
(1と同じ)

 

15:25~15:55
(30分間)

(テーマ1と同じ手順)

 

模造紙は変えず、そのまま書き加える。

いっぱいになったら別紙を用意する。

①記録書

 

②ICレコーダー

③メモ(A5サイズ)

※塩見さんと池田理事長は適宜各グループに参加

5.席移動

 

15:55~16:00
(5分間)

参加が席を移動する。

 

A→庁内連

B→参加

C→周知

(ファシリテーターと記録者は同じテーブル)

 
6.テーマ3
(1と同じ)

 

16:00~16:30
(30分間)

(テーマ1と同じ手順)

 

模造紙は変えず、そのまま書き加える。

いっぱいになったら別紙を用意する。

①記録書

 

②ICレコーダー

③メモ(A5サイズ)

※塩見さんと池田理事長は適宜各グループに参加

7.まとめ(池田理事長と塩田氏のミニ対談)

 

16:30~17:00
(30分)

①各ファシリテーターが3つのテーマでアイデアのまとめを発表する。

(合計10分程度)

②それを受け、池田理事長と塩見氏で、「今後求められる行政コーディネーターとは」についてミニ対談。

(グループを変え話し合った意味と話し合いで出たアイデアを事務局がまとめて後日提供することを説明)

①記録書

 

②ICレコーダー

③メモ(A5サイズ)

※塩見さんと池田理事長は適宜各グループに参加

8.終了 進行役から第1回研修会の終了と第2回の予定説明。  

第二回研修会

実施日 平成26年3月20日(木)13:30~17:00
場所 県庁11階 第1・2会議室

構成と実施方法

●NPO法人まちなか研究所わくわく副理事長 宮道 喜一氏による講演
テーマ「地域合意形成のためのプロセスデザインと実例紹介」

● 一般社団法人南城市観光協会 日高智子氏による講演
テーマ「南城市憩いのオープンガーデンの取り組み」

● 浦添市景観行政担当者による状況報告 古堅 功氏による講演
テーマ「地域合意形成の現状と課題について」

● 地域との合意形成をテーマとしたワークショップ

具体的な条件設定を行い、景観地区や重点地区の指定に向け地域住民の合意形成のプロセス案を作り、課題や修正点について話し合うことより、実践的な合意形成のためのスキルを習得しました。

また、ワークショップのプログラムづくりを通し、事前に課題を見つけて対応を考えるなど、効果的なワークショップの運営ができるスキルを習得しました。

時刻・所要時間 内容 スタッフ及び備品
1第1回の振り返りとワークショップの目的、方法の説明
115:10~15:25
(15分間)
①第1回の振り返り
②目的の説明、方法の説明
③質問
①リーダー
②ファシリテーター
③ホワイトボード
④手元資料
2. テーマ1
状況設定と地域合意形成の全体プロセス案作成
15:25~15:55
(30分)
①各グループのファシリテーター自己紹介。
②各参加者の所属市町村名程度の自己紹介とグループリーダーを決める。
③ファシリテーターが具体的な状況設定とプロセス案の作成について説明する。
④地域合意形成のための全体プロセス案を作成する。
⑤リーダーがプログラム案を確認し、全員に説明する。
①ファシリテーター
②ICレコーダー
③模造紙
※宮道氏は適宜各グループに参加・アドバイス
3.ワークショップのプログラム案作成
15:55~16:25
(30分間)
地域の合意形成のプログラムの1つとしてワークショップのプログラムを作成する。
①テーマ、状況の設定
②ワークショップのプログラム案を作成する。
③リーダーがプログラム案を確認、全員に説明する。
①ファシリテーター
②ICレコーダー
③模造紙
※宮道氏は適宜各グループに参加・アドバイス
4.宮道氏と各ファシリテーターによるまとめ
16:25〜16:55
(30分間)
・地域との合意形成で全体のプロセスを作る上で何が重要か?
・ワークショップのプログラムを作り実施するためには、何が重要か?
①ファシリテーター
②各グループの模造紙
③ICレコーダー
5.閉会
16:55〜17:00
(5分間)
・ワークショップの内容は後日メールでご提供することを伝える。  

成果

(1)講演会による景観行政に関する取組方の基礎知識習得 研修会では、講師の塩見寛氏より、景観づくりに関する「行政側の基本スタンス」や「協働の仕組み」について、また、宮道喜一氏より「地域側からみた景観まちづくりの意義」や「住民 参加の場づくり」、「合意形成の基本的なポイント」についての講義を受け、それらの情報や知識を習得しました。

(2)ワークショップによる景観行政コーディネーターとしての基礎技術の習得 第1回の研修会では、住民の参加誘導、理解の向上方法、行政間の連携に関する課題の 解決策を探るワークショップを実施し、また第2回の研修会では、地域合意のプロセスデザインとワークショップのプログラム作成の研修を行い、基礎的な技術を習得しました。

(3)研修会全般を通して各行政間のネットワーク形成 2回の研修会では、講演以外にワークショップを実施し、直接各市町村の景観行政の担当者らが相互に話し合い、その結果を共有するという場面をつくりました。その結果、各市町村の取組の概要を把握し、必要に応じ直接情報提供やアドバイスを受ける関係を構築することができました。

今後の展開

(1)実践技術の習得

● 今後は、習得した基本的な情報や知識を実践的に活用し、行政と地域との合意形成を主導的に進めることが出来るような技術の習得が求められています。

● また、合意形成までのプロセスデザインについても、具体的な目標の設定やそれまでの“参加の場”の設定、様々な条件の変化によるプロセスの修正等の実践的な技術の習得が求められます。

(2)習得技術のストックや活用方法の検討及び活用2回の研修会で話し合われた内容は議事録としてまとめられていますが、この中には、各市町村で活用可能な取組や合意形成について検討するために必要と思われる情報が含まれています。また、これらの情報について、景観行政担当者が手軽に引き出せるように整理することや仕組みを作ることが求められます。例えば、データベースとして保存し、キーワードで検索可能とするなどの情報の整理管理方法やその情報を具体的に活用しようとした場合のアドバイス方法など、各行政間の連携の具体的な仕組みについて検討することが必要となります。