広域景観形成について

沖縄県の景観形成において、重要な区域、または軸であり、市町村の範囲を超えて複数の市町村にまたがって調整が必要になると考えられる区域・軸を、下記のように「広域景観域・広域景観軸」として設定しています。

当該域・軸における景観施策の推進にあたっては、各市町村の主体的な取り組みに併せ、必要に応じて関係市町村や関係機関等と連携して取り組みを進め、広域的な風景づくりに資することを目的とします。

広域景観域・広域景観軸

やんばるの森景観域 西海岸自然景観軸 環金武湾景観軸 中城湾歴史景観軸 西海岸都市景観軸 中南部都市景観軸 南部海岸景観域 本島周辺離島景観域 本島周辺離島景観域 宮古景観域 八重山景観域 やんばるの森景観域 西海岸自然景観軸 環金武湾景観軸 中城湾歴史景観軸 西海岸都市景観軸 中南部都市景観軸 南部海岸景観域 本島周辺離島景観域 本島周辺離島景観域 宮古景観域 八重山景観域

やんばるの森景観域(4市村)

国頭村・大宜味村・東村・名護市

沖縄本島の自然の宝庫であるやんばる地域において、眺める対象としてのやんばるの森とそれを取りまく海岸線の景観は、区域の中心となる景観です。これらの景観が損なわれることなく今後とも維持継承できるよう、やんばるの森及び塩屋湾から辺戸をめぐり平良湾を経て一周する海岸線を含む区域をやんばるの森景観域として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 代表的な視点場から海への眺望
  • 山並み・稜線
風景の創出
  • 自然の地形の尊重
  • 集落・田園景観との調和

西海岸自然景観軸(5市町村)

今帰仁村・本部町・名護市・恩納村・読谷村

リゾート施設が集積する恩納海岸や名護海岸、沖縄海岸国定公園のある本部半島、美しい羽地内海が広がる今帰仁海岸および自然海岸を中心とする読谷海岸の西海岸地域は、海浜への眺望が区域の中心となる景観であり、本県の大切な観光資源です。これらの景観が十分楽しめるよう、羽地内海から読谷海岸までの軸を西海岸自然景観軸として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 代表的な視点場から海への眺望
  • 山並み・稜線
  • 特色ある自然(山、海・海岸、川 等)
風景の創出
  • 背景となる自然との調和

環金武湾景観軸(3市町村)

宜野座村・金武町・うるま市

金武湾域は、勝連半島を中心に半島丘陵や海中道路、島々等多様な要素を含んだ優れた島しょ空間を有しています。西海岸の賑やかなリゾート海岸とは趣の違った、穏やかで美しい海岸が広がり、隣接する集落には、石垣、御嶽(林)等伝統的な集落景観及び田園空間が広がっています。良好な海への眺めや島しょ景観への眺めを遮ることのないよう配慮し、伝統的集落や田園空間と調和した景観形成を図るため、環金武湾景観軸として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 代表的な視点場から海への眺望
  • 山並み・稜線
風景の創出
  • 自然の地形の尊重
  • 集落・田園景観との調和

中城湾歴史景観軸(7市町村)

うるま市・沖縄市・北中城村・中城村・西原町・与那原町・南城市

本島東部の中城湾で構成される区域において、湾を取り囲む緑の丘陵は湾と一体となって本区域の中心景観となっており、丘陵から湾への眺望も優れた景観資源です。中でも、世界遺産の主要グスク群が集積する中南部都市圏において、中城湾を取り囲む丘陵緑地上には、3つの世界遺産グスクを有していることから、その一体的な景観の保全活用に向けて、勝連城跡から斎場御嶽に至る丘陵緑地を中城湾歴史景観軸として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 歴史的遺産
  • 代表的な視点場から海への眺望
  • 山並み・稜線
風景の創出
  • 歴史的遺産との調和

西海岸都市景観軸(5市町)

嘉手納町・北谷町・宜野湾市・浦添市・那覇市

本県の市部が集積・連担する中南部西海岸区域においては、西海岸ウォーターフロント、基地跡地、コンベンションリゾート、埋立開発区域など複数の中心となる景観を有しています。その中でも特に景観形成が急がれているのは、交通拠点である空港・港湾から中北部へ伸びる沿道景観であり、沖縄の第一印象を決定づける大切な景観軸ともなっています。このことから、那覇空港・嘉手納間の軸を西海岸都市景観軸として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 代表的な視点場から海への眺望
風景の創出
  • 魅力あるウォーターフロント
  • 地域の個性や連続性のある都市空間
  • 潤いやくつろぎのある都市空間

中南部都市景観軸(6市村)

那覇市・浦添市・宜野湾市・北中城村・沖縄市・うるま市

本県の市部が集積・連担する中南部区域においては、中心市街地、基地跡地、市街地再開発区域など複数の中心となる景観を有しています。その中でも特に沖縄市は米軍統治下の異国情緒の漂う、独特な市街地景観を残しており、それぞれの地域の特色をいかした都市景観の取り組みが求められています。このことから、県都那覇市から県第2、第3の都市である沖縄市、うるま市間を結ぶ軸を中南部都市景観軸として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の創出
  • まつり・イベントの舞台
  • 地域の個性や連続性のある都市空間
  • 潤いやくつろぎのある都市空間

南部海岸景観域(7市町)

豊見城市・糸満市・八重瀬町・南風原町・南城市

本島の南西端に位置し、全体として琉球石灰岩台地の丘陵が広がっています。海岸線は南側に断崖が続いているのに対し西側は砂浜が多く対照的です。優良な農地が広がっており、那覇市に近く都市化が著しい反面純農村風景も見られます。また、西海岸の埋立地に工業、商業、住宅が立地するなど市街地として著しく発展しています。このことから、平和・戦跡遺産を中心景とする南部海岸を含む南部地域一帯を南部海岸景観域として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 特色ある自然(山、海・海岸、川 等)
  • 代表的な視点場から海への眺望
風景の創出
  • 集落・田園景観との調和
  • イベント・まつりの舞台

本島周辺離島景観域(10町村)

伊平屋村・伊是名村・伊江村・座間味村・渡嘉敷村・粟国村・渡名喜村・久米島町・北大東村・南大東村

沖縄本島周辺離島で構成される区域です。県立自然公園などの海・山の自然と、重要伝統的建造物群保存地区などの文化遺産があり、島々の生活文化が息づく地区です。その中では圧倒的なまわりの自然を基盤として、島ごとの暮らしや生業、行事などの総体が日常生活としてあります。したがって広域景観域としては、自然・暮らし・生業・行事等のすべての営みを含めて本島周辺離島景観域として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 伝統的集落
  • 代表的な視点場から海への眺望
  • 特色ある自然(山、海・海岸、川、島々 等)
風景の創出
  • 集落・田園景観との調和

宮古景観域(2市村)

宮古島市・多良間村

宮古島市を中心に、周辺の島々で構成される区域です。県立自然公園などの豊かな自然とサトウキビ畑等の農村風景、宮古島市の中心市街地、海浜リゾートがみられ、島々の生活文化が息づく地区です。その中では圧倒的なまわりの自然を基盤として、島ごとの暮らしや生業、行事などの総体が日常生活としてあります。したがって広域景観域としては、自然・暮らし・生業・行事等のすべての営みを含めて宮古景観域として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 代表的な視点場から海への眺望
  • 特色ある自然(海・海岸、川 等)
風景の創出
  • 集落・田園景観との調和
  • イベント・まつりの舞台

八重山景観域(3市町)

石垣市・竹富町・与那国町

石垣市を中心に、周辺の島々で構成される区域です。西表石垣国立公園などのダイナミックな森林・湿地・礁湖と放牧等の農村風景、重要伝統的建造物群保存地区、海浜リゾートが展開しています。また、石垣市の中心市街地が立地するなど、島々の個性ある生活文化が息づく地区です。その中では圧倒的なまわりの自然を基盤として、島ごとの暮らしや生業、行事などの総体が日常生活としてあります。したがって広域景観域としては、自然・暮らし・生業・行事等のすべての営みを含めて八重山景観域として設定しました。

風景づくりのキーワード

風景の保全・回復
  • 伝統的集落
  • 代表的な視点場から海への眺望
  • 特色ある自然(山、海・海岸、川、島々 等)
風景の創出
  • 集落・田園景観との調和