守る/沖縄の風景の特性

人とくらし

生活景

イメージ:生活景

まちの賑わいや御嶽などのその土地の風土を感じさせるものも、沖縄らしい生活の風景です。御嶽は、現在も地域の祭事行事の中心としての象徴的空間となっており、井戸、湧水源なども地域住民の心のよりどころとなっています。農村集落などでは、住民はお互いに応分の負担を持ち合って地域の運営をなし、集落防護林は、集落の水源を涵養しつつ、集落全体の居住環境を向上させる機能を有していました。台風による影響が大きいため、鉄筋コンクリート住宅が多く普及しましたが、これも沖縄独特の風景の一つです。

亜熱帯の風土に育つ草花は、ハイビスカス、デイゴ、ブーゲンビレアなど、彩度の高い原色に近い花など、鮮烈な色彩にあふれています。季節のうつろいを感じさせる樹木や緑、さとうきび畑の匂いや海に沈む夕日など、季節や時間によって風景は変化を見せ、五感に触れてきます。今後とも子どもから高齢者や障害者を問わず、誰もが心身ともに健康になれる優しい風景づくりを進める必要があります。

夜景

イメージ:夜景

沖縄の夜は長く、都市では街路灯やビルの照明などが明るく、経済活力を感じる夜の風景が見られます。一方、農村では電照菊の照明や、離島集落での月明かりや星明かりに照らされる白砂の道など、美しく幻想的な風景が今も生きています。沖縄の魅力をさらに高めるために、地域の魅力を生かすライトアップや逆に人工照明を抑制することなどにより、沖縄らしい魅力的な夜の風景をつくりだすことも重要です。

伝統・芸能・まつり等

イメージ:伝統・芸能・まつり等

伝統的な行事、芸能、まつりなども、沖縄らしさを感じさせる風景です。エイサーやハーリーなど数多く残る沖縄の伝統行事、まつりは、生活と密着した風物詩として、沖縄らしさを彩る風景となっています。また、各地で開催されるマラソンやスポーツイベント、プロ野球のキャンプなども新しい沖縄の風景を多彩につくりだしています。

歌や三線(さんしん)は生活の一部であり、祝いのときに大勢の人と喜びを分かち合いながら、歌や三線を奏でます。また、米軍統治時代の影響を受けたオキナワンロックをはじめ、新しい音楽が次々と生み出され発信されています。そのほか、農業・漁業等のなりわいの風景がありますが、那覇市のマチグワー(市場)は、今でも陽気な雰囲気が感じられ、独特の賑わいがあります。紅型(びんがた)に代表される鮮やかな色彩の文様は日本、中国、南方系の影響をうけながら成立されたものであり、沖縄独自の文様となっています。

このような沖縄固有の伝統・文化・芸能の風景が沖縄らしさをより一層魅力的なものにしています。

「生活景」の定義
「生活の営みが色濃く滲みでた景観。特筆されるような権力者、専門家、知識人ではなく、無名の生活者、職人や工匠たちの社会的な営為によって醸成された自主的な生活環境のながめ。
(後藤春彦 早稲田大学創造理工学部教授)

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