支援策や融資制度

景観づくりに関する制度を理解して活用する

地域に合った柔軟な制度をつくることで、より優れた景観づくりを実現することができます。そのためには、地域住民が制度の目的をしっかりと理解したうえで、市町村と協力し合って制度をつくることが大切になります。

各市町村ではどのように制度がつくられていくのか、また、景観づくりにおいてどのような支援策や融資制度があるのか、主な項目を取り上げてご紹介します。

市町村の支援策

市町村では、望ましい景観づくりを行うため、情報提供や各種講座、清掃活動等の支援策を行って景観向上を図りながら、地域交流の活性化も促しています。その事例として、那覇市が取り組んでいる景観づくりの支援策をご紹介します。

市町村の支援策(平成24年12月1日更新)

那覇市の支援策

都市計画情報提供システム

市内の土地に割り当てられている「都市計画」等の情報を、画面上で検索して閲覧できるサービスで、情報提供を行っています。

「花と緑にあふれたまちづくり」の支援策

花づくり講習会 「花いっぱい運動」を市民運動として広めるため、講師を派遣して土づくり、肥料、種蒔き、管理の仕方など、花づくりのアドバイスを行います。
公園愛護会制度 楽しい安全な公園利用、または公共施設を愛護する心の向上を目的に、原則5人以上の団体で、月2回以上の公園清掃や施設点検、花壇の手入れなどを行い、活動に対して清掃用具の貸与と月3,000円の報奨金を支給します。
公園自治会管理 「協働によるまちづくり」の一環として、自治会の清掃活動を通じて会員間の交流を図り、地域の活性化を促すことを目的としています。公園・トイレの清掃や草刈り等の活動を行い、それらの活動に対して公園面積等を基本にした委託料を支給します。
那覇市記念木植樹 社会生活の節目(結婚・出産・入学・トゥシビー・創立記念等)において、公園内に記念植樹を行うことにより、公園整備への協力の精神や緑化意識の向上を図るとともに、みどり豊な街並みづくりを促進するため、記念木植樹を実施しています。

屋上・壁面緑化推進事業(助成)

市内建築物の屋上や壁面(塀、擁壁等の工作物)を、緑化スペースとして有効活用し、ヒートアイランド現象*の緩和とうるおいのある空間をつくりだす目的で、屋上緑化や壁面(塀、擁壁等の工作物)の緑化工事について、助成金を交付しています。

* ヒートアイランド現象:都市部の気温が、その周辺の郊外部に比べて異常な高温を示す現象

那覇市緑化センター

那覇市緑化センターは、緑化及び地域の活性化等の諸施策を展開する拠点として、うるおいと安らぎのあるまちづくりを推進するための施設で、緑化に関する各種講座や技術指導、相談などを行っています。

那覇市緑化センターでは屋上緑化モデル庭園も公開しています。(右)

浦添市の支援策

浦添市景観まちづくり重点地区助成金制度

平成20年7月1日からスタート!!

目的
浦添市景観まちづくり条例第10条の重点地区の良好な景観形成の促進を図り、もって景観まちづくりの振興に寄与することを目的とします。
交付対象行為等
浦添市景観まちづくり計画の景観形成基準による行為で、次に掲げる行為とします。
交付対象行為 助成率及び助成限度額
屋根瓦等の工事 工事費の1/2以内かつ限度額100万円
石積み、石張り等の工事 工事費の1/2以内かつ限度額50万円
生垣等の工事 工事費の1/2以内かつ限度額20万

※助成金の額に1,000円未満の端数金額が生じたときは、その端数金額は切り捨てるものとします。

詳しくは「浦添市のウェブサイト」をご参照ください。

石垣市の支援策

伝統的な赤瓦葺き工事費に対する補助

事業の概要 石垣市に居住する市民の専用住宅の赤瓦を使った屋根葺き工事(水平投影面積により30㎡以上の瓦の新設又は全面葺き替えを原則)に対して補助を行う。補助金額は、瓦葺面積1㎡につき3,000円以内で、50万円が限度。
事業開始年度 平成4年度
事業実績 平成11年度以降の実績50件

伝統的な石垣設置工事費に対する補助

事業の概要 石垣市に居住する市民の専用住宅に附属する石垣設置工事で、積み石に琉球石灰岩を使用するものに対して補助を行う。補助金額は、延長5m以上の場合は3万円、延長10m以上の場合は5万円。
事業開始年度 平成4年度
事業実績 平成11年度以降の実績2件

高架水槽の遮蔽設備の設置費に対する補助

事業の概要 現に石垣市に居住する市民の専用住宅の高架水槽の遮蔽設備の設置工事(使用材質は可能な限り木材質とすること)に対し、一律3万円の補助を実施。
事業開始年度 平成4年度
事業実績 平成11年度以降の実績1件

生け垣設置費に対する補助

事業の概要 現に石垣市に居住する市民の専用住宅に附属する生け垣(植栽樹種は風土に適したもの)の設置工事に対して補助を実施。補助金額は、延長5m以上の場合は3万円、延長10m以上の場合は5万円。
事業開始年度 平成11年度

赤瓦助成金等規定

※他市町村については、準備次第、掲載していきます。

公庫の支援策

沖縄県振興開発金融公庫が行っている、景観づくりに関連する支援策をご紹介します。

歴史的・文化的建造物に対する優遇

通常、融資を受ける場合は制限(建物床面積80平米以上、敷地面積100平米以上等)がありますが、「歴史的・文化的建造物」の対象であると認められた場合、平米数の規模制限が軽減されることがあります。

赤瓦使用に関する優遇

住宅を建てるときに赤瓦を使用する場合は、融資額の上限が増えます。

赤瓦住宅と一般住宅の融資額の比較

(単位:万円)

 資金種別   一般住宅 赤瓦住宅 

構造

床面積

耐火 準耐火・木造
(耐久性)
 耐火 準耐火・木造
(耐久性)
80㎡以上 100㎡以下 1,260 1,230 1,450 1,410
100㎡超 125㎡以下  1,280  1,250 1,470  1,430
 125㎡超 150㎡以下  1,780  1,760  2,070 2,050

詳しくは「沖縄県振興開発金融公庫」へご相談ください。