平成21年の9月に俳句の仲間と波照間島を訪れた。波照間島へは、石垣港から時速40キロの高速艇で1時間。空調の程良く効いた船内から眺める海の色がコバルトブルーに変わるとそこは波照間港だった。さっそく、民宿に荷を解いた。通された部屋からは海が見え、サトウキビ畑を渡る風と虫の声も聞こえた。
波照間は日本最南端の島。ここで造る泡盛「泡波」は有名。少量生産のためめったに手に入らない。その日は、島の運動会だった。優勝賞品はもちろん泡波。島の人たちは全員が、学校に集まっているので、どの家も開け放たれたまま、古い野面積みの石垣や福木の屋敷林と赤瓦の民家などの集落は落ち着いた雰囲気を醸し出していた。この島には伝統的な集落の原風景が今も活きている。八重山の英雄・オヤケアカハチ生誕の地でもある。また、星空観測タワーが有名。島の周りには光がないため、群星が手に取るように近い。12月から6月までは南十字星をみることが出来る。
(日本最南端の碑)
ニシの浜、浜紫檀の群落、底名溜池展望台や日本最南端の碑などは是非訪れたい場所だ。港の食堂の波照間そばはお奨め。この島にはハブはいないので、草むらを分け入っても大丈夫。
「草の絮とぶや日本の最南端」 清 以上。
いまから約600年前の1406年、佐敷の小按司、尚巴志は、中山城「浦添城」を攻め落とし、風水思想を取り入れ拠点を「首里城」へ移した。
1429年には南山王国を滅ぼし、交易王国「琉球王国」を樹立(第一尚氏王統)する。
それ以降首里は450年間「首里親国」として、王都のまちづくりが進められてゆく。
1470年、第一尚氏王統は金丸(のちの尚円)のクーデターによって滅び、第二尚氏王統が誕生する。
第二尚氏王統の第三代国王尚真は、政権の安定をより強力なものとするため、これまで地方にいた有力な按司(豪族)を首里城周辺に移住させた。また、王府制度の改革や整備拡充を行い、首里は琉球王国の首都としての位置づけがなされる。
ところで、琉球王国には外国船が度々訪れているのをご存知でしょうか。
ペリー提督遠征記第2巻(1854年)には、
「那覇の港に船が入ると、そこには美しい景色が展開される。海岸から山の頂上までゆるやかに登る斜面の全てが完璧なまで田園化され、冬の作物が緑の濃淡の影を与え、一様に広がる段々畑の山々と所々に忘れられたかのように点在するこんもりとした大木の樹木が田園風景に命を与え、美しい森を形成している。水平に延びる遠方の山々の頂には裸の幹の上に優しく枝を伸ばした琉球ならではの松の木が生い茂り、その松の枝葉から陽射しがこぼれている。これらすべてがこの世で最も豊かな田園風景を創り上げているのだ。」
スポールディング航海記(1853年)には、
「緑したたる街並み、見晴らしの良い丘、こんもりと繁る木立、どれをあげても首里の都は世界一美しい。士官たちは首里に登るといつも無情の喜びにひたる。手入れの行き届いた泉で喉の渇きを癒し、雲つく大樹の陰でピクニック気分。その気になれば昼寝だって楽しめる。昼のうたた寝が終わると鬱蒼たる樹木に囲まれた泉で水浴びを楽しむ。ここがアメリカならいったいどれだけの価値があるやら検討もつかぬ。あの伝統国イギリスでさえ、こんな古色蒼然たる自然の庭園を持ち合わせてはいないのだ。」
ペリー提督が浦賀湾に来航する前に琉球に立ち寄り記録した航海記の一部である。琉球の伝統的風景がどの様なものだったか、往時を偲ぶことが出来る。
戦争で焦土と化し、首里の風景は一変したが、1992年に首里城正殿が復元し、その後も関連施設や街並みも整備され、古都首里の風景が広がりつつある。日が沈み、夜風に身を任せながら首里城周辺を散策すると、往時にタイムスリップしたかのような感覚に浸るのは私だけだろうか・・・
伊良波 朝義
平成25年度の名護さくら祭りが 1月26日(土)~27日(日)の日程で開催されました。
沖縄にて植されているさくらは、寒緋桜の品種で 沖縄のさくら前線は北の国頭より開花し、本部町、今帰仁村と進み、名護市のさくらが開花するのが 約3週間かかり春の到来となります。
名護城主跡一帯の中央公園内に整備された寒緋桜が毎年 1月中旬より下旬にかけて
鮮やかなピンク色の花を楽しませてくれます。
名護さくら祭りも今年で 第51回を数え、沖縄県において最古のさくら祭りと言われております。
名護中央公園内のさくらを始め、遊歩道の散策 東シナ海、名護市内の町並み眺望、山原の山並みの風景がさくらの花とともに楽しめるかと思います。
祭り当日は、名護大通りを歩行者へ開放し色々なイベントが開催され、県内はもとより
県外の観光客の方が多くご来場いただいております。
ちなみに、今年のさくらの開花は昨年の台風の影響にて 開花が例年のようではなかったみたいです。
でも、木々によっては 多くの花を咲かせたものもありました。
山原路を散策して、雑木のなかのさくらを見つけるのも 楽しいかと!