平成28年度 風景学習
平成28年度は那覇市立壺屋小学校の3 年生を対象に、総合学習時間等を活用して、地域風土に根ざした体験・探検学習(まち歩き、登り窯見学、シーサー作り)や調べ学習を進め、児童の“気づき”や自主的な“学び”、発信行動へつなげる風景学習のプログラムを実施しました。
児童においては「陶工になって壺屋のまちを守る」「古いものが残る壺屋の魅力を伝えたい」「5年後に白い煙がふく登り窯ができるといい」など、自分たちの町として壺屋を捉え、地域の担い手意識の芽生えにつながりました。
一方、先生方や保護者、関係者(地域自治体や自治会組織、NPO)等周りの大人達も、児童と一緒に学習する過程で身近な風景の価値を再認識し共有する機会となり、また、人材の発掘や地域とのつながりが深まるなど風景学習の効果が確認できました。
今後も、これまでの実施小学校の取組をモデルとして、個性に富んだ風景学習が県内の小学校へ広く普及するよう、取組みを進めてまいります。
那覇市立壺屋小学校(平成28年度)
壺屋のまちじまん! ~昔から今に続く壺屋の風景~
学習のねらい |
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学習活動 |
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準備品 |
<まち探険・調べ学習>
<制作発表活動>
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実施体制 |
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学習の流れ
H28/6/22【オリエンテーション】(1h)
概要 |
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H28/6/28【壺屋探検】壺屋のまちじまん~昔から今に続く風けいを見つけよう~(4h)
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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7/13【表現】(2h)
場所 |
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概要 |
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7/20~10/6【課題設定と学習の計画準備】(4h)
児童のウエビング書き込み例
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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11/8 【調べ学習】壺屋を詳しく調べよう。(2h)
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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11/9【登り窯火入れ見学】読谷やちむんと壺屋のつながりを知ろう(4h)
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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11/18【陶器祭り参加】(3h)
「陶器祭やっているよ~」
と笑顔でビラ配り
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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H29/1/27【焼物体験】面シーサー作り(2h)
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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12/20・21【編集会議】(2h)
H29/1/6~1/13【壁新聞づくり】(10h)
1/16【リハーサル】(1h)
1/17【発表会】(2h)
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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2/2
場所 |
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概要 |
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児童の作品 (一部掲載)
「壺屋のまちじまん~昔から今に続く壺屋の風景~」をテーマにまち探検し、ゲストに話を聞いたり、登り窯の使われ方を調べるために「読谷やちむんの里」を見学したり、陶器祭りでインタビューしたりと、活動してわかったことを壁新聞にまとめ、発表した。
先生の声
実施にあたり工夫した点・苦労した点
- まちのどんな良さに気づかせたいのか、目的や視点を明確にして活動を仕組まなくてはならないため、関係者との連絡調整が大変であった。
- 壺屋焼物博物館やNPOの支援を受けまち探検で古い写真を活用した。児童により興味を持たせることができテーマに迫る手法として効果的であった。
- 方向付けや活動の流れをくみたてる際、児童の関心や気づきを踏まえたものになっているか、大人の押しつけになっていないか等検討を行った。
- ・「 やちむんのまち」として壺屋の特色や抱える悩み等を理解させるため、古い映像資料等を活用した。
- 読谷の登り窯の火入れを見学できたこと、壺屋陶器組合理事長・島袋常秀さんが工房を案内して下さったことで壺屋焼とのつながりやまちの現状について実感を伴って考えることができ、陶工の思いも感じとることにつながった。
児童の反応
- 「 風景学習」の様々な活動を通して、まちの歴史や伝統ある壺屋焼について知識を得ながら、他の地域にはない良さがあることを感じ取り、「昔から今に続く壺屋の風景」というテーマのもと、古いものを守り伝えることの大切さやそれがこれからも残ってほしいという願いをもつことができた。
- 自分達の住むまちについて深く知ることにより、愛着や誇りをもつことができた。(手づくりのすごさや人間味にあふれるまちの良さがわかり、地域の伝統を残したい、壺屋が好きになったという意見が増え、将来陶工になりたいという児童もいた。)
教師として得られた点
- 町の歴史、壺屋焼の伝統、景観について改めて見つめ直したり、「まちづくり」という視点で児童に何を学ばせるのか考えさせられることが多く、児童と一緒に活動することで様々な発見があった。
- 「 子ども達のためなら」と快く講師を引き受けて下さった町の方の思いに感動した。そういう方達とふれあう機会をつくれたことが大きな成果だと思う。
- 専門的見地からの話がとても勉強になり、今後の教育活動へも役立つと感じた。
- 「 風景学習」で捉えた壺屋の「過去・現在・未来」という観点からの学びの成果はとても大きく、伝統ある壺屋地域を守り伝える力になればと期待している。
保護者の反応
- 「 風景学習」の活動や発表会には保護者にも参加頂き興味関心を寄せて頂くことができた。活動を通して成長した児童の姿に感動し、保護者自身が地域を見直す機会を得ることにつながった。
- 「 地域を深く学び未来の壺屋のまちを考えるには3年生ではかなり大変だったと思うが、みんなよく頑張って発表していた姿にとても感心した」、「親も地域を知ることが大切だと思った」、「今度、壺屋焼を手に取り、何か思いを巡らしてみよう」、「都市化をマイナスに受け止めず伝統が共存するまちの方向性を考えさせることも必要」、「この子達が大人になっても昔と変わらない温かい壺屋の風景が残ってほしいと思った」、「一人ひとりの個性が出て素晴らしかった」、「本物を見て心に感じるいい学習」、「今後もこのような取組みを是非継続してほしい」などの声があがっていた。