平成30年度 風景学習
平成28年度から今年度で3年目の取組みとなった那覇市立壺屋小学校では、3年生のカリキュラムとして総合的な学習の時間において、壺屋のまちじまんをテーマに、風景学習としての体験学習(まち歩き、工房・登り窯見学等)や調べ学習が取り組まれました。
こうした様々な学習活動を通して、児童一人ひとりが感じ取ったまちの景観や壺屋の良さを、自らの言葉でとりまとめ発信しています。
「壺屋のまちじまんを大人になっても残したい」「陶工さんの心をこめた技はすごい」「壺屋は昔ながらのやちむんのまち」「古い赤瓦の家や井戸も多く残っているのが魅力」「壺屋で生まれて本当によかった」「多くの人に壺屋のことを伝えたい」など、児童においては伝統を守り育ててきた地域の方がたへの感謝の気持ちやまちに対する誇り、担い手意識が芽生えました。また、先生方や保護者、関係者(地域自治体や自治会組織、NPO)等周りの大人達も、児童と一緒に学習する過程で身近な風景の価値を再認識し共感する機会となり、さらに、人材の発掘につながり地域との連携が深まるなど効果が確認できました。
このような風景学習の取組みと成果を踏まえつつ、今後も、沖縄の地域に根ざし個性に富んだ風景学習活動が県内の小学校へ広く普及するよう、取組みを進めてまいります。
那覇市立壺屋小学校(平成30年度)
壺屋のまちじまん! ~昔から今に続く壺屋の風景~
学習のねらい |
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学習活動 |
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準備品 |
<まち探険・調べ学習>
<制作発表活動>
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実施体制 |
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学習の流れ
H30/4月【オリエンテーション等】(3h)
概要 |
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H30/5/29【体験①】まち探検(4h)
【ふりかえり】(1h)
陶器で飾られたサイン!
ビンジュルは神様がいる
東ヌカーの使われ方を知る
昔ながらのすーじ小を歩く
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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H30/6/6【表現】新聞づくり(2h)
H30/6/6〜7/19【課題設定と学習計画】新聞づくり(6h)
場所 |
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概要 |
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【自主学習】
概要 |
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【事前学習】(2h)
H30/11/21【体験②】読谷山焼(ユンタンザヤキガマ)窯火入れ見学(4h)
使用中の登り窯を見学する
次郎窯の中棚に入る
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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H30/11/1~24【体験③】陶器祭りの準備と参加(9h)
通りに出て自作のチラシを渡して
「陶器祭りにいらっしゃいませ」
と呼び込みを行う
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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H31/2/22【体験④】焼物教室(3h)
場所 |
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概要 |
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H30/12/26【制作会】(3h)
H31/1〜2月【制作・発表準備活動】(8h)
H31/2/13【リハーサル】(2h)
H31/2/14【発表会】(2h)
場所 |
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概要 |
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児童の 反応 |
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H31/2/15
場所 |
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概要 |
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児童の作品 (一部掲載)
昔の写真と今の壺屋を見比べながら、まちを探検した。壺屋では使われなくなった登り窯の使われ方を調べるために「読谷やちむんの里」を見学したり、陶器祭りで来客にインタビューしたりして、様々な活動を通して捉えた、「壺屋のまちじまん」を絵や写真を使って発表した。
先生の声
実施にあたり工夫した点・苦労した点
- まちの景観や壺屋の良さについて自分達の考えや気づきを発信するという風景学習のゴールを示していたので、児童の意識を一つに向けることができた。
- 活動が長くあいてしまった時は、まちのイメージマップやワークシート、活動の写真等を見直しながら振り返りや確認を行い、次の活動へ児童の意識を高めることにつなげた。昨年度の3年児童がまとめた小冊子を参考にして、児童の学習意欲をさらに引き出し、取りまとめ方のイメージを持たせることができた。
- 古い写真と今を比べたり、古い壺屋の映像を視聴したが「やちむんのまち」として壺屋の特色や抱える悩み等を理解させるために効果的であった。一方で、何人かの理解できていない子達に理解させるために何度も個別で話合いを重ねたりと大変な面もあった。
- 読谷の登り窯の火入れを見学できたことは壺屋焼とのつながりや都市化する壺屋のまちの現状について実感を伴って考えることがつながった。
児童の反応
- 壺屋の町の方から直接昔の話を聞いたり、夏休みに保護者と博物館で学んだり、見学(東ヌ窯、育陶園、読谷やちむんの里等)させてもらえたことなどが貴重な体験として深く心に残ったようだ。
- いろいろな人との出会いからまちを深く知ることにより、感謝の気持ちを持って自らのまちとしての愛着、誇りを感じることができていた。
- 「 風景学習」の様々な活動を通して、まちの歴史や祈り、伝統ある壺屋焼について知識を得ながら、他の地域にはない良さがあることを感じ取り、「昔から今に続く壺屋の風景」というテーマのもと、古いものを守り伝えることの大切さやそれがこれからも残ってほしいという願いをもつことができた。
教師として得られた点
- 児童と一緒に活動することで様々な発見があった。
- 壺屋の「過去・現在・未来」、「まちづくり」という視点で町の歴史、壺屋焼の伝統、景観について改めて見つめなおすことができた。
- 地域のその人にしか語ることができない話を聞いたり、工房で陶工の仕事を見学したり、陶器祭など地域の活動に積極的に参加したりという経験は児童にとって将来の地域貢献に大きくつながると思う。キャリア教育において重要なことを再確認できた。
保護者の反応
- 「 親が勉強になった」、「登り窯や壺屋の神様のことなどよく調べられていて感心した」「壺屋小ならではのテーマでとてもいい、自信につながる」「子ども達のおもしろい目線で新しい発見」「3年生がこんなに調べて発表できることに驚き」「家での娘と違って案外しっかりしていると感心」「自分の住んでいる地域の歴史、風景を知り、自分の言葉、考えを伝えていて感動した」「自分のまちを好きになってよかった」など声があり、児童の堂々たる発表や成長した姿に深く感動していた。
- 「 風景学習」の活動には保護者の方がたの参加協力があり、周りの大人が地域を捉え直す機会を得ることにつながった。