平成28年度の取り組み

目的

景観施策の実施主体となるのは主に市町村である。市町村の景観施策促進をはかるため、県内市町村の景観行政担当者を対象に、景観の実務に関する知識、および技術の向上を図ることを目的とし、研修会等を中心とした景観行政コーディネーター育成事業を実施する。

基礎研修

基礎研修は、新任者を対象とし、本県における景観と歴史的なかかわりや景観行政の概要、景観まちづくり、景観計画など、景観に関わる全般的な内容を習得することを目指す。

《第一日目》

実施日時 平成28年10月17日(月)9:00~17:00
テーマ
  • ガイダンス
  • 風景・景観まちづくりの仕組み 沖縄県の景観行政状況と景観形成計画
  • 景観形成の理論と実際 福岡市の景観計画について
  • 風景・景観まちづくりの実践(首里地区)

《第二日目》

実施日時 平成28年10月18日(木)9:00~17:00
テーマ
  • 景観と色彩計画
  • ランドスケープデザインと緑化
  • 公共施設と景観デザイン
  • 住民参画による風景・景観まちづくり、意見交換
  • 総括、修了式

実践研修

実践研修は、基礎研修修了者を対象とする。景観地区の指定や公共事業の景観配慮について、また景観協議会についてなどより実践的な内容の研修を行う。

実践研修

《第1回》

実施日時 平成28年11月4日(金)13:00~17:00
テーマ
  • ガイダンス
  • 景観計画の策定と景観地区の指定景観協議会の設立
  • 県内市における景観地区の指定事例

《第2回》

実施日時 平成28年12月9日(金)13:00~17:00
テーマ
  • 景観誘導と屋外広告物
  • 景観まちづくりと地域振興
  • 県外における風景・景観まちづくりの実践(仙台市)意見交換会

《第3回》

実施日時 平成28年12月12日(木)13:00~17:00
テーマ
  • 公共事業と評価システム
  • これからの国土づくりと景観行政のありかた
  • セミナー(課題研究)
  • 総括、修了式

県外先進地事例研修

中部地方

中部地方

実施日 平成28年11月24日(木)
場 所 福井県坂井市
研修内容 福井県坂井市三国湊町特定景観計画区域については、景観計画を策定する以前より、平成17年から10年計画で国の町並み環境整備事業を実施してきた。坂井市では3つの補助事業を実施中とのことである。伝統的建築物の意匠(湊町独特の建築様式)を継承した和風建築物の修理また修景等について工事費一部補助を行い、伝統的町並みの保全を図っている。景観形成基準の内容の例としては、屋根・壁の色彩は周辺環境とあわせ落ち着いた色とするなど、定性的表現で示されている。地区内道路、主要公園、集会所、案内板など地区施設の整備を推進中である。住民には自主的に景観づくり協定を結んでもらい、立替等の際には計画に従って住宅整備を行い、よりよい町並みづくりを官民協働で実施している。

東北地方

東北地方

実施日 平成28年11月25日(金)
場 所 宮城県仙台市
研修内容 宮城仙台市においては、平成23年度に定禅寺通と宮城野通、平成27年度に青葉通を景観地区に指定している。3地区はケヤキ並木の仙台市を代表するシンボルロードとなっている。指定する際には景観地区計画、モデル地区、屋外広告物条例と配慮事項である誘導指針をまとめ、まちなみ形成ガイドラインを作成している。
7方策のひとつである景観まちづくり協議会は、まちづくりの提案ができ、専門家の派遣や活動助成を受けることができる。現在、景観地区を指定した3つの地区の協議会がある。青葉通では平成24年に『青葉通まちづくり協議会』が設立。イベント実施、防災訓練、勉強会などの取組を行っている。賑わい創出の取組みとして毎年5月にファーストタワーオープンカフェを、11月には青葉通ピクニックを開催、今後の活動やまちづくりへ活かすため専門家を招いて平成15年度より青葉通まちづくり塾を開催している。また、他地域のイベント・勉強会への参加も積極的に行っている。