時が止まったフクギ並木の集落

沖縄の昔ながらの風景をじっくりと体感できる備瀬のフクギ並木。観光客も多く訪れる人気スポットなので、みなさんも一度は訪れたことがありますよね。碁盤の目のように整備された備瀬集落には、家を取り囲むように植えられた約2万本ものフクギが連なり、備瀬崎まで約1kmの並木道になっています。かつての沖縄の集落の様子とゆったりとした時間の流れを感じられる空間で、差し込む木漏れ日の暖かさを肌で感じたり、風に揺れる葉の音に耳を澄ませがら、ゆっくりとした時間の流れを満喫するのが備瀬イチオシの楽しみ方ですね。順路に沿ってのんびり散策するのもおすすめですが、レンタサイクルを使ったり、水牛馬車に揺られながら回るのもありですよ。

フクギは、幹が真っ直ぐに伸びて枝葉が密生し、葉が厚く燃えにくいため、防火や防風にぴったりな樹木として植えられたそうです。備瀬のフクギの中で最も古いものは推定樹齢300年。当時の王府は、集落や国都の造形、山林の管理に、国策として風水を取り入れたといわれているそうですよ。琉球王朝時代から、国を挙げての町づくりが進んでいたんですね。

フクギ並木の中には、他にも見どころもいっぱいです。大きなガジュマルの根元にある「軸石」は、この石を基準にして現在の区画割りが行われと伝わっているそう。駐車場の横にある樹齢350年の「コバテイシ(フバルシ)」の貫録ある姿も見もの。

フクギ並木を抜けた先に広がるのは、天然ビーチの「備瀬ビーチ」。干潮時には潮だまりができるので、海辺の生きもの観察もできて、ファミリーにも人気のスポットです。備瀬崎の先に浮かぶ小島は「ミーウガン」と呼ばれ、島全体が聖域になっているそうですよ。干潮時には歩いて渡れるそうですが、潮の満ち引きには十分注意してくださいね。海岸沿いには、ボウズサンゴを積んだ珍しい「砂岩(ボウズ)石垣」が連なっているので、こちらもお見逃しなく。

フクギ並木から少し足を伸ばすと、神が降り立ったといわれる聖域「ワルミ」があります。向かい合う約15mの絶壁の隙間から、神秘的な海が眺望できますよ。備瀬集落は、昔ながらの趣が残るだけでなく、絶景スポットが点在する癒しの場所ですね。

時が止まったフクギ並木の集落

時が止まったフクギ並木の集落