壺屋焼の歴史と、戦火をくぐり抜けた町を巡る

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やちむん(焼物)の町として、観光客にも人気の壺屋。1682年、当時の王府が美里村(現沖縄市)の知花、首里の宝口、那覇の湧田にあった窯元を壺屋に統合して、陶器作りを盛んにさせたという記録が残っているそうです。琉球石灰岩の石畳が敷き詰められた壺屋の「やちむん通り」は、その長い歴史を物語る場所。通り沿いに建つ「壺屋焼物博物館」のすぐ近くにある「南ヌ窯(フェーヌカマ)」は、壺屋にたったひとつ残った荒焼の登り窯です。傾斜地を利用して作られており、幅3m、長さ20mのかまぼこ型で、窯の上は赤瓦屋根で覆われています。現在は使われていませんが、壺屋焼300年の歴史を今に伝える県指定文化財。

メイン通りを歩くと、道の両側にたくさんの個性的な工房やショップが並んでいて、ひとつひとつ手作りしたマカイ(椀)やシーサー、抱瓶、カラカラ、マグカップなど、さまざまな作品が売られています。こういうのが女子にはたまらないですよね。壺屋焼の特徴である素朴で力強いベテランの作品から、普段使いしやすい若手の作品まで、バラエティ豊かなやちむんが並んでいて目移りしちゃいます。

つい買い物に夢中になってしまいましたが、今度は壺屋の魅力のひとつでもあるスージグヮー(路地)巡りをしてみましょう。壺屋は、奇跡的に戦争の被害が少なかったそうで、石垣に囲まれた昔ながらの路地裏や貴重な文化財が、当時に近い形で残っているそうです。クネクネと細い路地が続き、まるで迷路のような道を迷いながら進むのが町歩きの醍醐味!「番所ガー」などのムラガー(共同井戸)、「北ヌ宮」「ビンジュルグヮー」などの御嶽・拝所、国指定文化財である「新垣家住宅」などの史跡を巡りつつ、戦前の壺屋に想いを馳せながらの散策を楽しんできました。